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ジンジャーエールって知っていますか?

お題「子どもの頃に勘違いしていた、ちょっと恥ずかしいこと」

さて、皆さん。
ジンジャーエールという炭酸飲料をご存知でしょうか?

黄金に輝く、ちょっと大人な炭酸飲料それがジンジャーエールですよね。

今回はそんなジンジャーエールに関して、子どもの頃に勘違いをしていた、ちょっと恥ずかしい話についてです。

 

それは子どもの頃の話です

今思うと私の家は外食の少ない家でした。
理由は良く知りませんが、月に一度か二度外食をすれば多い方で、ほとんど家での食事が中心でした。

家での食事も、基本的に全て母親の手作りで、惣菜や出前を取ることはとても稀なことでした。

そんな私にとってジュースといえばリンゴジュースかオレンジジュースでした。
大量に飲ませてもらうことは許されないのですが、時々コップに一杯飲むジュースが大好きでした。

さて、そんな私の子供時代。

外食といえば、ちょっと家から遠いところのファミリーレストランへ行くことを指していました。他のところへ行った経験はほとんどありません。

ファミリーレストランでも8割が和食系のファミリーレストランでした。
釜飯セットを両親に分けてもらうのが私は大好きだったのです。

そんな、大人一人前を食べることできないような子どもの頃です。

外食の際はジュースを一つ頼んでも良いのが両親とのお約束になっていました。
基本的に私はリンゴジュースを選んでいました。

子どもの頃の私は何となく、新しいことにチャレンジすることが苦手でした。
苦手というより、親に無断で何かやって怒られたら嫌だな、と思い臆病だったのです。

そんな私はある日とき、別の飲み物を頼んでみたくなったのです。

子どもながらに、ファミリーレストランのメニューにある他のドリンクに興味津々でした。
何故だが、親にダメと言われる気がしながらも、今日は別の飲み物が良いと提案してみたのです。

両親はコーラ以外なら良いよ。と言いました。
私は別にコーラには興味がありませんでした。というより、コーラはもう少し大きくならないと飲んではいけない飲み物だという認識でした。

ここで私はあることに気がつきます。
リンゴジュース以外で飲んだことのあるドリンクはオレンジジュースだけでした。
何となくお茶系を選ぶのは勿体無い気がします。選択肢にある飲み物の中で全く持って味の想像できない知らない飲み物あったのです。

そう、ジンジャーエールです。

子どもの私にはジンジャーもエールも意味がわかりません。というか、ジンジャーエールで一つの単語だと思っていました。

私は両親にこれは何?どんな飲み物?と質問をしたのです。

すると父親はどれどれ、と私が指差すジンジャーエールを見ます。

父は普段と変わらない口調で「りんごジュースに炭酸が入った飲み物だよ」と言ったのです。


 

青天の霹靂です。私は炭酸飲料も好きだったのです。
私の好きなリンゴジュースに私の好きな炭酸が入った飲み物。まさに私が求めていた飲み物はここにあったのだと喜びに震えました。

そして私がその日選んだ飲み物はもちろんジンジャーエールでした。

初めて飲んだジンジャエールはとても美味しかったです。色的にもリンゴジュースに炭酸が入ったような色。味も程よく炭酸が効いていて、正しく私が求めていた味でした。

そこからしばらくの間、私は外食の際にジンジャーエールを飲み続けることになります。

そう、ジンジャーエールを炭酸入りリンゴジュースだと思ったままです。

真実

さて、皆さんはジンジャーエールがショウガが入った炭酸飲料だということは、もちろんご存知のことでしょう。

私がこの事実を知ったのは、中学校を卒業する頃でした。

私は何気なく、家でジンジャーエールを飲んでいたのです。そして、ふと何で炭酸入りのリンゴジュースなのにジンジャーなんだ?と疑問を持ちました(当時ジンジャーがショウガだとは認識していました)。

そして、家族揃っての夕食の際、何気なく質問したのです。

「あのさ、ジンジャーエールって何でアップルエールじゃなくて、ジンジャーエールなのかな?」

家族一同、ポカーン?という感じの反応です。

そして母が一言

「ジンジャーだからじゃない?」

そう言ったのです。

ジンジャーだからジンジャーエール、至極真っ当な答えでした。
その回答を聞き、今度は私はポカーン?という感じの反応をしました。

そして母は続け様に

「あなた、ジンジャーエールを何だと思っていたの?」

と聞いてきたのです。

私は待ってました!と言わんばかりの食いつきで

「炭酸入りリンゴジュース」

と答えました。

そう、およそ数年間、私の中でジンジャーエールとは炭酸入りリンゴジュースのことを指していたのです。

母は至極当たり前のように

ジンジャーエールなんだからショウガよ」

と答えました。

私の数年間の勘違いが崩れ去った瞬間です。言われてみたらリンゴジュースと味が少し違う気もしないでもない。私は今までの自分の記憶違いを恥じました。

きっと、当時の父の言葉を私が勝手に曲解していたのだと思ったのです。

または、リンゴジュースばかり飲む私に別の飲み物にも興味を持たせようとして優しい嘘をついていてくれたのかもしれません。

確かに私はジンジャーエールを飲むようになってから、普段チャレンジしない飲み物にも手を出すことは増えていきました。

私は父の方を見ました。

「え?ジンジャーエールって炭酸入りのリンゴジュースじゃないの!?色似てるけど?」

父はそう言ったのです。
その顔は心の底から驚きを隠せないという感じでした。

私は父の言葉を曲解などしていませんでした。
そして父も私に嘘を教えようと思ったわけでもなく、リンゴジュースが好きだった私を思って出た優しい嘘でもなく、単純にジンジャーエールをよく知らなかっただけだったのです。

あれから10年以上月日が経った今でも、ジンジャーエールをショウガだと知ったあの日のことは忘れられません。

私はジンジャーエールを飲むと、毎回この話を思い出して少し笑顔になれるのでした。

最後までご拝読頂きありがとうございます。

それではまた、どこかで!